刷毛


うるしの塗り刷毛はこんな形。

塗りやすいように、刷毛の幅の大きさがが色々ある。

 刷毛の毛の部分は 人間の髪の毛が使われている。
しかも東洋人の黒髪が一番丁度良いらしい。
白髪は商品の見栄え上、よけているらしく、当然人の手で作られていてとても手間がかかっている。
とても高価なものだけど、ずーっと使える道具。


精製した漆はもっちりとしているので、毛にこしがあった方が塗りやすい、

ナイロン製の絵具の平筆等を短く切って塗ったりする事もあるが、
毛に腰が無いので、なかなか漆が 伸びないし、塗りの厚さの調節がしにくく、漆がもったりと厚くのってしまうこともある。

そうなると、漆の表面だけが乾いて中が乾かなくなるという、
とてもめんどくさい出来事が起こってしまうのだ。

 

漆刷毛は漆の塗り面の厚さがとてもコントロールしやすい。

篦のように漆を配ることもできるし、最も早く旨く塗れる方法なんだなと実感する。


この刷毛は鉛筆のように削って使う。
中にも髪の毛が通っているのだ。
刷毛の毛の部分が、ぼさぼさに成って来たりしたら、その毛は切り落として、中にある毛を出す。

少し長い毛の方がよかったら、長めに出したり、
お好みの刷毛を作る事ができる

刷毛を仕立てたり、刷毛を使った後の掃除は実はとても面倒。
私はこれが本当に嫌いだ。

仕立てる事は時々しかやらないことだけど、刷毛の掃除はつかったら必ずやらなければいけない 頻繁におこる作業。

どうやって洗うかというと、油で 色が出なく成る迄、洗い続ける。
 刷毛に油をつけて ヘラでしごいて出す。
コレを永遠に繰り返すが、 とにかくコレに終わりが無い。

米の研ぎ汁が濁らなく成る永遠さとよく似ている。

 ちゃんと洗わないと、根元が漆で固まって駄目になったり、それがゴミになって出て来てしまうので、その事を考えながら、がんばって洗うしかない。 
  


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